面接で話していて詰まってしまいます。

Q. 面接の練習をしているのですが、話をしていて、どうしても言葉に詰まりがちになってしまいます。何か改善策はあるのでしょうか。

 

〈今回のテーマ〉
・言葉に詰まらずに話せるようになるコツは何か。

 

《「話しやすい中身」を「シンプル」に「そのときの自分の言葉」で》

模擬面接の面接官をやっていると、面接中ずっと言葉に詰まりながら、話しにくそうにしている人がいます。

模擬面接を終えて、フィードバックの時間に入ると、それまでの言葉の詰まりが嘘のように消え、「その感じで面接も話せばよいのに」と指摘することがたびたびあります。

では、なぜそのようなことが起きてしまうのか。お悩みの方は、その原因を考えてみてください。

たびたび指摘をするのは、次の3点です。

(1)話しにくい内容を選んでしまっている。

(2)長く複雑になってしまっている。

(3)覚えたことを思い出しながら話そうとしまっている。

一つずつ確認をしていきましょう。

 

(1)話しにくい内容を選んでしまっている。

本来面接カードには、自分が話しやすい内容を書くべきところを、深く意識をせずに話しにくい内容を選んでいる人がいます。

国家総合職の面接カードで、最近関心のある事として「米朝首脳会談」を取り上げている人がいました。「リビア方式についてはどう思う?」と聞いたところ、「???」という感じになりました。

関心があるということは、「ニュースや新聞などを目にして、興味を持ってちょっとは調べたり考えてみたりしたのだろう。」と面接官は判断するかもしれません。

だいぶ昔の話になりますが、自分自身、趣味で「映画」と書いたところ、人事院面接では、好きな映画について聞かれた上で(サスペンス系の話と、アルフレッド・ヒッチコック監督に触れる)、「では、ヒッチコック監督の良さについて、我々に説明してください」と聞かれました。

官庁訪問の際にも、「今年入ってから公開された映画で良かった映画を2本、その理由と合わせて教えて」と聞かれました。最終面接だったのですが、内定後、面接官の方とお話ししたところ、相当の映画マニアでした。

長所なども深く突っ込まれます。自分自身で「長所」というからには、何かしらの根拠があるのだろうと面接官は思います。しっかりと準備をして、話しにくいなんてことにならないようにしましょう。

(続)面接カード(ES)は何を意識して書けばよいのでしょうか。

 

(2)長く複雑になってしまっている。

丁寧にすべてを説明しようとしてくれるのは良いのですが、話をしている本人が「あ、長いかも…」、「どこまで話せばいいんだろう…」と焦ってしまい、窮してしまっているケースがあります。

面接は面接官と受験生との会話のキャッチボールです。質問に対して、ダイレクトにシンプルに答えるので構いません。面接官はもう少し聞きたいと思えば、さらに突っ込んで質問をしてくれます。1から10まですべて話す必要はありません。

何かしらの基準が欲しい方は、目安は1行結論、2~3行説明くらいに思っておくとよいでしょう。

すぐにできる何かよい面接の練習方法はありますか?

また、丁寧語にこだわりすぎて、言葉が詰まっている方もたびたび目にします。

「プレゼンテーションを始めさせていただきます。」が言いにくいのであれば、「プレゼンテーションを始めます。」でまったく問題ありません。「わたくし」と言わずに、「わたし」でも一向に構いません。

「Aじゃないと思います」より「Aではないと思います」の方が好ましいですが、面接官が見たいのは、そこではありません。

日常生活で目上の人と話すときくらいの丁寧さの十分ですので、「シンプルに話しやすく」を心がけてみてください。

 

(3)覚えたことを思い出しながら話そうとしまっている。

面接の練習を重ねた後、最も多いのはこのパターンでしょうか。

模擬面接を終えてフィードバックに入ると、「用意していない質問が来て焦りました…。」と言っている受験生の方に、「用意していない質問の方が、良い感じで話せていたよ。」とコメントすることがあります。

準備をすることそのものは悪くないのですが、「面接官に向けて、伝えることが大切」であることを忘れないでください。

面接は覚えてきた内容を正確に話すことを試すテストではありません。受験生と面接官のコミュニケーションです。

用意していた想定問答があるのでしょうか。面接官を見ることなく、ほとんど上や横を見ながら話、原稿と違う表現になったのか、時々、詰まり、訂正をしながら話す人がいます。

面接官に伝えるよりも、覚えてきた原稿を正確に話すことに終始しているように見えます。プレゼンテーションであれば、ある程度理解もできますが、面接官からのシンプルな質問に対して、このような態度はあまり感心できるものではありません。

自分自身の考えを整理し、面接で話す内容を準備することは大切です。しかし、面接官はあなたがどんなことを用意しているのかを知りません。その場の自分の言葉で、面接官に伝えることを大切にしてください。

面接練習をやりすぎて、どうも最近緊張感が無いという人には、特に注意をしてもらいたいポイントです。

面接で話しにくく、詰まってしまうという方の参考になれば幸いです。

 

〈まとめ〉
・面接カードの内容は話しやすいものを選びましょう(すでに提出済みの場合、書いた以上は話せるようにしましょう)
・短く話すこと、過度な丁寧語にこだわらずシンプルに話すことを心がけましょう。
・用意した言葉を再現するのではなく、その場の自分の言葉で面接官に伝えましょう。