Q.面接まで残り期間がわずかです。何か自分でできる良い面接練習はありますか?
〈今回のテーマ〉
・たった1人で1時間でできる面接練習について
《自分自身を鏡で見ながら、練習しよう》
模擬面接を行っていると、面接カード(ES)に書いてある内容は非常に良いにも関わらず、その良さを十分に面接では伝えきれていない人が多いです。
皆さんは、面接カードの準備以外に、しっかりと「面接そのもの練習」をしているでしょうか? 今回は自分でできる「面接そのものの練習」の仕方について、お話ししたいと思います。
まずは普通の鏡でも構いませんが、できれば、姿見を用意してみてください。姿見を前にして、椅子(無ければ、正座でもソファでも可)に座って、自分の姿が正面に見えるように座りましょう。
そして、志望動機、自己PR(調書)、やりたい仕事、アルバイトについてなど、想定される質問(質問のみで回答はダメ)を書いたメモを手元に用意したら、スマートフォンで録音開始(動画ならなお良し)。これで準備は万端です。
そして、用意した質問、例えば志望動機を聞かれた前提で、目の前の鏡に向かって話しかけましょう。
チェックしてもらいたいポイントは次の通りです。
(1)明るい表情で話せていますか?
緊張していることは決して悪いことではありません(へらへらして緊張感が無い方が印象は悪いです)。緊張しても構いませんが、「自分の話を聞いてください!」という気持ちがあるかどうかは大切です。伝えたい気持ちは、表情に出ます。
「こんな感じで言えば、正解かな…」や「あ、これ、想定してた質問だし、覚えたとおりにキレイに話そう」という気持ちも表情に出ます。目の前の自分が相手に伝えたいというポジティブな気持ちで明るく話せているか、チェックをしてみてください。
(2)シンプルに話せていますか?(「。」が大切。「、」でつなぎすぎは聞きにくい。)
以下の記事を参考にしてみてください。
分量としては、「1行結論→2~3行説明(→再度1行結論)」くらいが目安であると受験生の方にはアドバイスしています。
また、話をずっと「、」で繋いでいくうちに、自分で何を話しているかわからなくなってしまっている人がいます。
話す内容を「。」で区切った方が聞いている方が、理解しやすくなります。具体的には「。」のときに、1テンポ「間」を取ってみましょう。それだけで聞きやすさはまったく違ってきます。
また、「。」で区切ると、話す方も区切りがわかり、話しやすくなります。いざとなったら、「。」で話を終えてしまえば、面接官の方から質問をしてくれます。面接はキャッチボールですので、相手に投げてしまう手もありです。
内容面についても、シンプルが重要です。文章と違って話し言葉は頭の中で戻って聞くことができません。
詳しく説明することが大切と思っている人が一定数いますが、長くなればなるほど、むしろわかりにくくなります。質問に対して、ダイレクトに、そして、シンプルに答えるようにしましょう。
一例です。
「あなた自身が直したいと思っているところは何かありますか?」
悪い例
「整理整頓があまり得意ではなく、私自身、本がとても好きなのですが、何冊も並行していろいろな本を読むため、一度出した本などは、また読むと思うと、ついどうしても片付けるのが億劫になってしまうなどしてしまい、どこにどの本があるかわからなくなってしまうようなことがあったりしますが、ただ、重要な書類などについては、きちんとなくさないように意識をして管理をしていますので、そういった点については大丈夫です。」
良い例
「整理整頓が得意ではない点です。本や文房具など、また使うと思うと、つい出したままにしてしまう癖があります。その結果、どこにあるかわからなくなることがあります。こういった整理整頓できない癖は直したいと思っています。」
悪い例の方ですが、これでもまだ良い方で、長い人だとおそらくこの倍以上のことを話していたりします(文章なので短めにしました)。
文字にするとあまり差が無いように思えるかもしれませんが、「、」でつなぐと、聞いている方もどこで話の区切りがわからず理解がしづらくなります。
また、「直したいところ」を聞いていますので、「ただ、重要な書類…」以降は不要でしょう。もし、面接官が気になったら、「公務員の仕事って、重要書類とか扱うわけだけど、大丈夫?」と聞いてきますので、そこで答えれば十分です。
面接時間は基本的には決まっています。例えば、30分間の面接で1つの質問に対して、3分話していたら、10回もやり取りできません。1つの質問に対して、1分未満ならば、30回のやり取りができます。
そして、上での例のように2倍長く話したから、2倍内容が伝わるかというと、そうはなりません。むしろ短くシンプルに話した方が、より内容は伝わります。
質問に対してダイレクトに、そして、シンプルに答え、なるべく多くの回数、面接官とのやり取りが生まれた方が、面接官にとっても気持ちの良い面接になるでしょう。
このくらいのチェックと修正(繰り返してやってみましょう)であれば、1時間もあれば十分に可能です。自分の姿を「見て」そして「聞いて」、自分自身でチェックをしてみてください。
《面接はコミュニケーション》
…と、色々と書いていますが、結局は面接も日常生活の延長で、ただのコミュニケーションであることを一番意識してもらいたいと思っています。
面接は質問に対して、正解を答える場ではありません。あなた自身のことを伝える場です。
「こういう仕事、楽しそうだし、やってみたいんだよね」(志望動機、やりたい仕事)
「最近、○○にはまってるんだけど、××なところが、本当に面白くて…」(趣味・特技)
「本当に自分、こういうのが苦手で…」(短所)
以上のような内容を、ちょっとだけ丁寧に、初対面の人に短時間で理解してもらうのが面接です。
面接の練習をしていると、「僕は…あ、いえ、わたくしは…」とか、「御庁で…」(都庁・県庁で十分)とか、言葉遣いを気にしすぎて、そして丁寧に話すことを気にしすぎて、自分の気持ちを伝えることができていない人が見受けられます。
大学の先生や、バイト先の先輩などにちょっと丁寧な言葉で話すくらい、要するに目上の人に対して、普通に接するときくらいの話し方で十分です。
また、色々な人に指摘された点を直そうとして、その人自身の良さが消えてしまっている人もいます。本当にもったいない…。
話す練習をしていて、自分のことを伝えきれていないなと感じた人は、なるべくシンプルに自分のことを話すようにしてみてください。
きちんと面接をこなすことより、言葉に詰まっても、あなた自身の思いや価値観を面接官に伝えることの方がとても大切です。
先程挙げた1時間の練習の中で、ちゃんと「自分ことを自分の言葉で話せているか」をチェックしてみてください。
皆さん、いいところがたくさんあるし、自信をもって大丈夫ですよ。
〈まとめ〉
・見た目の印象も大切です。いい表情で面接に臨めるように確認をしましょう。
・シンプルに話すと、話す方は話しやすく、聞く方は聞きやすくなります。
・面接はコミュニケーションです。しっかりと自分の話をするよう心掛けてください。