集団討論で心がけるべきポイントは。

Q. 受験する自治体の2次試験に集団討論があります。集団討論で何か心がけるべきポイントはありますか。

 

〈今回のテーマ〉
・集団討論の形式はどのようなものか。
・集団討論で心がけるべきポイントは何か。

 

《フォアザチームの精神》

地方自治体などの2次試験で行われる集団討論は主に以下のような形式です。

・受験生は主に5~10人、試験官が複数名。

・試験時間は30~60分が一般的(一部では15分程度の試験も)。

・専門的知識が必要のない(教養論文のイメージ)テーマで討論を行う。テーマは当日発表が一般的。

・課題に対する提案を行う形式が一般的(可否を問うディベートの方が少ない)

 

なかなか練習する機会もない集団討論についてですが、決して難しい話ではありません。

大学などで集団討論対策を行う際に、事前に15分ほど話をします。その際に話す内容は至ってシンプルです。

フォアザチームの精神

チームスポーツでたびたび使われる言葉ですが、「チームのための貢献」が見られているという意識で臨んでください。

面接対策のブログで「面接官の視点」という話をたびたびしていますが、ここでも「試験官の視点」で考えてみましょう。

集団討論はあくまで試験の一環ですが、試験官は「彼らが職員として、あるプロジェクトの会議に参加した際、どんな発言や振る舞いをするか」という視点で捉えます。

もちろん、発言内容のクオリティも重要な要素のひとつです。しかし、優れた提案ができる人物だからといって、周りの意見を聞かずにずっと話し続けるような人物であれば、好ましい評価は得られません。

以下、実際に集団討論の練習を行う際に、よく指摘をする注意点や、聞かれる質問について、挙げていきたいと思います。

なお、すべて「チームのために」が前提となることを意識しながら読んでみてください。

・意見をほとんど言わない。

みんなで討論を行い、何かしらの提案を行おうとしている中、意見を言わないのは、チームに対して貢献をしていないことになります。試験時間が短い場合、意見を言わず終わってしまうことがあるので、注意をしましょう。

・メモばかりを取ってしまう。

書記でもない限り、メモは最低限(取らなくても良いくらいです)にして、討論に参加をしましょう。何も指摘をしないと、発言者の顔を見ず、メモを取ることに終始する人もいます。発言している人からしてみれば、聞いてもらいたいですよね? 円滑な議論を進めるために、発言者が話しやすい環境を整えましょう。

・反対意見を言う。

これもチームのためになるかどうかがポイントです。最後の3分になり、提案のまとめに入っているのに急に反対するのは、それまでの議論を壊すことになります。しかし、例えば、序盤で何となく「賛成」に話が流れ、議論も活性化していないとき、あえて「反対」について言及をするのは良いことです。様々な視点から物事を捉えるのは、バランスの良い提案をするためには不可欠です。議論が一方的にならないようにすることも大切です。

・Aさんの意見に疑問を投げかける。

「あなたは間違っている!」と指摘するのは、仮に事実だとしても、好ましいとは思いません(そういう言い方をする人はいないと思いますが…)。周りが委縮してしまえば、意見が出づらくなり、議論が深まりません。一定の理解を示しながらも、別の見解を述べ、議論が深まるような言い方を心がけましょう

・司会をするべきかどうか

試験によっては司会を置く場合があります。司会をやったから評価が上がるわけではありませんので、無理にやる必要はありません。ただ、誰もやりたがらないのであれば、やってみませんか? 皆がやりたくないことをやるのは、そのチームへの貢献です

・司会は意見を言ってはいけないのか?

ディベートであれば、賛成派、反対派での対決ですので、どちらかの肩を持つのはタブーですが、集団討論では問題ないでしょう。ただし、自分の意見は言いつつも、フェアに全体の意見を吸収し、議論を進め、まとめていくことが大切です。「私の意見より、Aさんの意見の方が良いですね。」くらいの懐の深さを見せてください。

・司会の進行が上手くない。

「私がやります!」と積極的に司会をやると言った人が、上手く進行できないこともあります。そのような場合は、司会をフォローしましょう。目標はチームとして議論を深め、より良い提案をすることです。司会にしても、他の人にしても、困っている人がいれば助けながら良い結果を導き出しましょう。

・議論を壊す人がいる。

試験ですので、自分が多くの回数意見を言おうと、周りに配慮をせず、一方的に話そうとする人がいます。「順々に意見を言って、多くの人の意見を取り入れませんか?」など、さりげなく提案をして、円滑に議論が進むようにしましょう。なお、あまりにひどいようであれば、きちんとした言葉で指摘をすることもチームのためには大切です。

・意見を言えずにいる人がいる。

なかなか自分の意見を言えずにいる人もいます(意外とそういう人が鋭い意見を持っていたりします)。無理やり言わせるのではなく、アイコンタクトで話せそうならば、話を振るなどして、話しやすい環境を作りましょう

細かく挙げていけば切りがないですが、「試験に受かりたいから…」と自分のことだけを考えるよりも、「このグループ全体のために」と動いたほうが、結果としてよい方向に進むと思います。

集団討論の際に、何かしらの判断に迷った際には、「これはチームのためになるのだろうか?」という基準で考えてみてはいかがでしょうか。

 

〈まとめ〉
・集団討論は「チームへの貢献」がカギになる。