ニュースや新聞は読んだ方がよいですか?

Q. 来年の受験を考えています。公務員試験は最近では、面接の重要になっているという話を聞きました。新聞やニュース、また本などは見ておいた方がよいのでしょうか。

〈今回のテーマ〉
・新聞やニュース、本など、何を見ておくとよいか。
・おススメのニュース番組は何か。

 

《「一般常識」「地域」「やりたい仕事」がキーワード》

良く受ける質問が「新聞は読んだ方がいいですか?」というものです。まず、公務員になるにあたり(公務員に限らずビジネスマン全般にいえることかもしれませんが)、社会や経済について、一般常識の範囲程度のことは情報を入れておくべきでしょう。

そのツールとして、新聞を選ぶべきかどうかですが、ご自宅で購読しているのであれば、ざっと目を通す習慣をつけておくと良いでしょう。

ただし、個人的にはニュースアプリや、NHKのニュースでも足りると思っています。そのときに注意をしたいのは、特定のテーマだけでなく、幅広く目を通すことがことです。

自ら選択するのではなく、世の中で起こっていること全体に対して、薄く広く知識を入れることを意識しておいてください。

なお、某省庁のキャリア官僚は、「重要テーマについて、新聞各紙の報道の仕方を比較して読むのはありかな」と話していました。キャリア官僚を目指す方であれば、色んな意味でたしかに良い方法だと思います。

また、近年では、地方自治体を希望されている方が非常に多いです。そういった方は、ぜひ、その地域の情報を目にする機会を増やしましょう

例えば、自治体が発行している市報や区報は、その地域の取り組み、イベントなどが書かれています。知識面でも重要ですが、興味のあるイベントが掲載されていれば、そこに参加することで何かしらのきっかけが得られるかもしれません。

バックナンバーをまとめて閲覧したい方は、都道府県庁、市区町村の情報ルームや、図書館などにおいてあります。

また、近年では、首長や議員が積極的にtwitterなどのSNSを活用して、政策などの情報発信をしています。新聞やテレビなどで各地域の実情が報道されることは稀ですので、実際に行政に携わる人の情報をチェックするのもよいでしょう。

もう一つは、「やりたい仕事」についてです。面接での底盤中の定番の質問として、「やりたい仕事は何か?」があります。

模擬面接をやっていると、「地域の観光についてやりたい。」と言っているのに、地域の持つ観光資源についての知識が他の人と同じ程度であったり、観光ビジネスそのものに関する知識が足りないような方がいます。

「やりたい仕事」という以上は、少なくとも他の受験生以上の経験や知識が求められます。新聞やニュースなどでその仕事に関する近年の動向をつかみ、また、興味のあるテーマは書籍や白書などで知識を蓄えておくべきでしょう。

面接の直前であってもこれらの対策は有効ですが、できれば、早い段階からの積み重ねが理想的です。

 

《WBSがおススメです(完全に個人的見解)》

ここからは、完全に個人的な見解になります。

自分自身の話になりますが、物心ついて一番最初に覚えた有名人がアナウンサーであったくらい、我が家ではニュース番組が流れていました。

夜は6時から民法ニュース、7時からNHK、しばらく野球などのスポーツ、9時からまたNHK、10時からニュース、11時からニュースというそんな家庭でした。

自分自身、小学校高学年のときには、わざわざ録画をしてまで深夜に放映されていたCBSドキュメント(アメリカCBSのドキュメンタリー60minutesのダイジェスト版)を楽しみにしていました(最近では、『BS世界のドキュメンタリー』がお気に入りです)。

今でもその習慣はある程度、続いていますが、ほぼ毎日録画をして見ているのは、ワールド・ビジネス・サテライト(WBS)です。

最新のビジネス事情について、比較的わかりやすく説明している良い番組で、公務員の仕事にも直結するような話題(福祉、医療、雇用、地域活性化などなど)も数多く取り上げられます。

なお、以前に比べると、少し内容は柔らかくなりました。1テーマの濃さという意味では、日経プラス10の方が上回るでしょうか。

明治大学行政研究所での、大学1、2年生向けの授業(今年はお休みをいただいています…)では、私の講義のミッションとして、「数的処理の国家一般・地方上級レベルで及第点が取れる」ことと、「社会人になるための準備」、「様々な挑戦へのハードルを下げる意識づけ」を挙げて取り組んでいます。

毎年、初回の授業でまず話をするのが、「公務員に限らずビジネスマンを目指すにあたり、まずは興味関心の幅を広げ、ビジネスに対する基礎知識(体力)をつけるため、ワールド・ビジネス・サテライト(WBS)を今から見続けましょう」という話です。

実際に見ることを習慣化した学生さんが3年生になると、その時点でビジネスについての興味の幅が非常に広くなっており、インターンシップなどについても、かなり、意識的に企業・業種を選べている印象を受けました(もちろん、面接にも強いです)。

もし、興味があれば、ぜひ一度、観てみてください。

〈まとめ〉
・「一般常識」と「地域」と「やりたい仕事」の知識を得るようにしましょう。
・早い段階から習慣化すると、より効果的です。
・WBSを観てみませんか?