自然科学の勉強について

Q.大学受験も文系だったため、計算があまり得意ではなく、自然科学の勉強をどうすればよいか悩んでいます。

 

〈今回のテーマ〉
・計算が苦手な人は、どのように自然科学の勉強をすればよいか。
・科目別の特徴はあるか。

 

《やるべき科目と切るべき科目》

1月に入り、そろそろ一般知識の勉強を始めようと言う方も多いかと思います。

一般知識全体の勉強法については、以下の記事を参照してみてください。

一般知識はどの程度やればよいですか。

今回は、理系科目が苦手であったり、計算が苦手という人がどのように自然科学の勉強に取り組めばよいかという話をしていきたいと思います。

自然科学というと、「計算」のイメージが強く、「すべて切ってしまいたい」という受験生もいます。

しかし、化学や生物は「知識」で解ける問題の出題も多いです。

自然科学全体で見たときも、出題数は「計算系」<「知識系」になるので、計算が苦手な方は、まず「知識系」を押さえる、その上で取れそうな「計算系」の問題を押さえるというのを基本方針にしてみてはいかがでしょうか。

以下では、自然科学の各科目の勉強法についてお話ししていきたいと思います。

【数学】

ほとんどの試験で数学は出題されません(地方上級A、B、C日程で1題。ただし、東京消防庁は5題の出題なので学習が必要

また、数学という学問は「積み上げ式」の学問です。例えば「積分」についての問題が出題された場合、問題を解くためには、二次関数、三次関数、微分…など様々な知識が必要となります。

数学の場合、ジャンルごとの勉強がしづらく、出題数も少ないことから、苦手な方は、科目ごと「切る」というのもありでしょう。

【物理】

物理は数学と異なり、「力学」、「波」、「電気」など、それぞれのジャンルで、覚える知識や解法が独立しており、テーマごとの学習が可能な科目です。

初学の方は、ザッと勉強を試みた上で、無理そうな分野は切り、解けそうな分野は基本問題から手をつけると良いでしょう。

例えば、電気回路の問題は、オームの法則の基本知識で解ける中学レベルの問題も出題されてます。

なお、出題テーマとしては力学からの出題が多いですが、初めて勉強される方にとっては、決して簡単ではありません。特に1題しか出題されない試験が第一志望の場合には、深入りしないいく方が賢明でしょう。

また、波、電気、原子あたりからは「知識系」の問題の出題もあります。計算が苦手な方は、「知識系」だけでも押さえるとよいでしょう。

【化学】

化学は「知識系」と「計算系」がそれぞれ出題されます。およそ8:2くらいで知識系の出題の方が多いでしょうか。

計算が苦手な方は、まずは「知識系」を中心に対策するとよいでしょう。

化学の場合には、単純な知識の丸暗記というよりも、説明内容が正しいかどうかを問う問題が多いです。背景にある理屈を理解しておくことが重要です。

「計算系」は、モル計算、気体の法則、熱化学方程式、中和反応などが頻出テーマです。典型的なものが多く、ジャンルごとに独立しているため、解けそうな問題だけでもやっておくと良いでしょう。

【生物】

計算が苦手な方にとっては、自然科学の中で最も勉強をしやすい科目でしょう。95%以上が「知識系」です。

まずは、それぞれのキーワードの説明を正確に覚えることがとても重要です。

例えば、メンデルの3法則(優性の法則、分離の法則、独立の法則)であれば、それぞれがどのようなものかの簡単に説明できるのが理想です。

また、ホルモンについての問題のように、単純な暗記問題も多いです。内分泌腺(器官)、主な作用部位、その作用、関連する症状などを覚えているかどうかが問われます。

公務員試験は、択一試験のため、100%正確に覚える必要はありません。頭文字だけでも、イメージだけでも答えは出せますので、薄く広く各分野を学習しましょう

【地学】

平成24年度の国家公務員試験の試験制度変更以降、国家総合職、国家一般職、国家専門職では出題されていません。

特別区では2題出題されますが、それ以外の試験では1題の出題となり、コストパフォーマンスは若干悪いです。

しかし、出題範囲は、化学や生物などに比べて狭いので、「計算系」が手付かずの方など、「知識系」に絞って勉強する方は、学習するとよいでしょう。

一般に出題傾向としては、「地球分野>宇宙分野」になります。

気象や地震など、身近で勉強しやすいところから、学習をするとよいでしょう。

 

以上が各科目の特徴になります。志望先の試験での出題傾向と合わせて、どの科目から手を付けるか、優先順位を決めて勉強していきましょう。

 

〈まとめ〉
・自然科学といっても、出題数は「計算系」<「知識系」です。
・「計算系」が苦手な人は、まずは「知識系」を押さえ、取れそうな「計算系」を拾う方針を推奨します。
・各科目の特徴(試験ごとの出題数も)を確認した上で、勉強の優先順位をつけましょう。