H30国家専門職
ある集団のメンバーに対して、異なる5種類のゲームについての調査を行ったところ、次のことが分かった。このとき、 論理的に確実にいえるのはどれか。
○ パズルゲームが好き、又は、シミュレーションゲームが好きな者は、ボードゲームが好きである。
○ パズルゲームが好きな者は、音楽ゲーム又はレースゲームのいずれか一つのみが好きである。
○ シミュレーションゲームが好きではない者は、レースゲームが好きではない。
1. シミュレーションゲームが好きであるが、パズルゲームが好きではない者は、レースゲームが好きである。
2. シミュレーションゲームが好きな者は、音楽ゲームも好きである。
3. ボードゲームが好き、又は、レースゲームが好きな者は、 パズルゲームが好きではない。
4. 音楽ゲームもシミュレーションゲームも好きな者は、レースゲームも好きである。
5. 音楽ゲームもレースゲームも好きな者は、ボードゲームも好きである。
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近年の国家総合職、国家一般職、国家専門職では、本問のような「命題」が度々出題されています。
命題の問題は、記号化をして解く問題も多いですが、国家系の問題では、それがしづらい問題の出題が多いです。
本問は、2つ目の条件「パズルゲームが好きな者は、音楽ゲーム又はレースゲームのいずれか一つのみが好きである。」がポイントです。
この条件は「パズル→音楽∨レース」ではありません。「∨」は「いずれか一つのみ」ではなく、「少なくともどちらか一方」の意味になります。
このように、記号化で処理ができない問題については、「真偽表」を用いて解くのが有効です。
簡単に言ってしまえば、全通り書き出して、条件を満たさないものを消去して解く方法です。
全通り掻き出すので、項目が3つなら2の3乗で8通り、4つなら2の4乗で16通り、5つなら2の5乗で32通り、このあたりまでなら、急がば回れで書き出してしまうのが有効でしょう。
本問は32通り書き出すのが面倒ですが、これも手順を覚えれば、だいぶ手間も少なくなります。
まずは32÷2=16通りずつに分けます。
最初のパズルゲームは32÷2=16個刻みで○と×を書きます。
次のシミュレーションゲームは、先ほどの16個刻み÷2=8個刻みで○と×を書きます。
同じようにボードゲームは8個刻み÷2=4個刻み、音楽ゲームは4個刻み÷2=2個刻み、レースゲームは2個刻み÷2=1個刻みで○と×を書きます。
これで表は完成しました。
あとは各条件で条件を満たさないケースを消していきましょう。
1つ目の条件では、パズルゲームとシミュレーションゲームの少なくとも一方が好きな者で、ボードゲームが好きではないケースが消せます。
2つ目の条件では、パズルゲームが好きな者で、音楽ゲームとレースゲームの両方が好き、両方が好きではないケースが消せます。
3つ目の条件では、シミュレーションゲームが好きではない者で、レースゲームが好きなケースが消せます。
あとは、各選択肢を検討しましょう。
正解は5になります。
【正解】5
32通りともなると、真偽表を作るのが面倒に思えますが、書き方のプロセスを覚えていれば、さほど時間はかかりません。
工夫をして解く方法もありますが、いつも同じ解き方で確実に解けるようにする方が、点数を取るという意味ではよいでしょう。
国家系を志望される方を中心に類題も確認してみてください。