Q. いくつかの模試を受けたところ、いずれも思ったほどの結果が出ていません。勉強をやるしかないとわかっていますが、模試の復習にもあまり手がついていません。焦る気持ちや疲れもあり、モチベーションも下がっている感じがします。これから先はどのようにすればよいでしょうか。
〈今回のテーマ〉
・模試の結果をどのように判断すればよいか。
・模試の復習で重点的にやるべきポイントは。
《その成績、本当に悲観するような結果ですか?》
この時期になると、模擬試験の結果を見て、不安を抱えている人をたびたび目にします。中には試験を諦めてしまう人もいます。
もちろん、大学受験の偏差値になれてしまっている人にとっては、納得する結果は得られていないのかもしれません。
しかし、講師の立場で見ると、決して悪い結果ではなく、むしろこれから試験まで追い込めば、十分に間に合う人がたくさんいます。
以前のブログにも模擬試験について触れてありますので、未読の方は、まずこちらを読んでみてください。
上記の記事に加えて、もう少し「数字」の話をしてみたいと思います。皆さんは公務員試験試験の一次試験の競争倍率はご存知でしょうか。
まずはこれまで受験してきた模試の結果を確認し、自分が上位何%くらいの位置にいたのか、それぞれの試験について確認しましょう。
その上で、以下の資料を確認してみてください。
いくつかの試験の近年の一次試験の競争倍率をまとめてみました。
計算してみるとすぐにわかることですが、競争倍率が4倍ならば上位25%、3倍ならば上位33%、2倍ならば上位50%に入れば合格することになります。
自分の成績と見比べてみていかがでしょうか。何とか合格圏内に入っている、そこまでは到達しないけれど、もう少しでいけるかもしれないと思う人も多いのではないでしょうか。
なお、模試の順位(上位何%)よりも本試験の順位の方が一般的には高くなるはずです。
理由は公務員試験は受験料が無料なため、「とりあえず受験をしてみよう」という受験生が一定数存在しています。彼らはあえて模試は受験しません。その点も踏まえて計算すると、実際の競争倍率はもう少し下がることになるでしょう。
また、平均点に近い点数ですと、1点点数が上がるだけで、順位が100位以上上がるような試験もあります。
これからの勉強であと数点積み重ねることができれば、十分に合格圏内に達する人も多いのではないでしょうか。
模試の結果を悲観している方は、もう一度、自分が上位何%くらいにいそうか、あと何点取れば、合格圏内に入れそうか、もう一度、確認してみてください。
できれば、「n点」という具体的な「数値」として捉えてみましょう。そうすれば、今後の勉強のスケジュールも立てやすくなると思います(生物と地学の暗記であと2点加えられるなど)。
合格圏内に入るのが意外と難しくなさそうだと実感してもらえるのではないかと思います。
《まずはみんなが取る問題を落とさない》
上記の内容を踏まえても、やはりまだまだ合格には足りないと感じた人ももちろんいるでしょう(毎回の結果が上位70%に入らないなど)。
ほとんどすべての内容を復習しなければならず、どこから手をつけてよいかわからないという人もいると思います。
そのような方は、まず正答率が高い問題から復習してみてください。
受験の場合、目標は良い点数を取ることではありません。他の人よりも相対的に点数が上回り、合格圏内に入ることが目標です。
簡単に言ってしまえば、他の人と点数の差をつけられないようにする。つまり、みんなができないなら、自分もできなくても構わない。プラスマイナス0です。みんなが取れる問題を落としてはいけない。自分だけがマイナス1です。
先述のブログ記事でも書いたように、模試というのはどうしても、本試験よりも問題が難しくなりがちです。
実際に各問題の正答率を見ると、20%近い問題もあるでしょう。五択で20%というのは、ランダムにマークした場合と変わらないということです。この問題が解けなくても、他の人と差はつきません。
ところが、正答率が70%を超える問題を落としてしまうと、他の人はできているので、差をつけられることになってしまいます。まずは正答率の高い基本問題を押さえ、他の人に点数で離されないようにすることを目標にしましょう。
点数が伸び悩んでいる方は、それだけ課題も多く、試験までにやらなくてはならないことも多いでしょう。
この時期はどの受験生も「時間が足りない」と感じています。しかし、優先順位をつけて、より点数につながる勉強を重ねていけば、点数を積み重ねることができます。
やるべきことをやり、1点ずつ積み重ねていきましょう。それが合格につながります。