数的処理の問題の分類

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ある程度、数的処理の勉強を進めた人に向けて、少し抽象的な数的処理の勉強に関する話をしてみたいと思います。

なお、各ジャンルでの勉強法については以下の通りです。

数的処理の点数が伸びません(その1:数的推理編)。

数的処理の点数が伸びません(その2:判断推理編)。

数的処理の点数が伸びません(その3:空間把握編)。

数的処理の点数が伸びません(その4:資料解釈編)

以前から、数的処理を勉強する際には、「覚える」ことが重要という話を繰り返ししてきました。

例えば、連立方程式の解き方、素因数分解の仕方、組合せの公式、等差数列の和の公式、正多面体の展開図の特徴…などなど、「知識」を覚えることがまずは必要です。

その次に覚えてほしいのは、「解法パターン」と「着眼点」です。

数的処理の問題は様々な分類の仕方がありますが、「問題の解きやすさ」という観点でお話をすると、次のように分類できます(名称は勝手に自分がつけています)。

(1)知識もの

完全に公式や知識のみで解けるような問題です。過去の本試験問題を例に取れば、「2000の約数の個数は何個か?」のような問題は約数の個数の求め方を知っていれば解けますし、「正八面体の切断面に表れる多角形の種類は?」であれば、三角形はできない、四角形はできる、五角形、六角形はできる、ということを知っていれば解けます。他にも内サイクロイドや外サイクロイドの形などもあるでしょう。

出題数が多いわけではありませんが、知識だけで点数が取れますので、こういう問題は優先して勉強し、確実に点数を取れるようにしたいところです。

(2)パターンもの

知識のみでは解けないものの、類題がどれも同じような解き方で解ける問題を、勝手に「パターンもの」と呼んでいます。

例えば、ニュートン算は立てる式がいつも同じですし、N進法の計算もN進法から10進法に直して計算して、再度、10進法をN進法に戻す計算です。剰余の問題も、余り(足りない数)を揃えて解いていくという形で解けます。

「知識もの」に比べれば、面倒ではありますが、解いていく手順がいつも同じです。イメージとしては、以下のような形です。

いつも似た解き方の問題であれば、多少面倒であっても繰り返して練習することで、同じような問題が出てきたときに対応しやすくなります。

数的処理が苦手な方にとって、次に手をつけてもらいたいのは、このような問題です。

(3)頭を使って考える問題

「頭を使って考える」という表現をしましたが、決して、ゼロベースで考えるというわけではありません。

以下のようなイメージです。

まず問題を読み取る(A)のと、計算などの作業をして解答を導く(E)点はいつも同じですが、何(B、C、D)から手を付ければ良いかわからず、自分でその解き筋を見つけていくケースです。

速さの問題を例に取れば、どのように絵で表すか、文字の置き方をどうするか、式の立て方はどうするか、速さ・時間・距離の何が導き出せるか(与えられているか)、などは問題を解く際に用いる順番が異なってきます。

このような場合、ゼロベースで考えると大変なので、B、C、Dについての着眼点を覚えていると理想的です。

絵を描いて「旅人算の場合、距離の和と差に注目」と知っていれば、そこから式を立てやすくなります。「n分早く到着、速さはm倍、などの比較は同じ文字にまとめる」と知っていれば、文字の整理がしやすくなります。「等しいものに注目」と知っていれば、式が立てやすくなります。

どの順番でどのように用いるかは問題によって異なりますが、「着眼点」を知っていることで、問題を解き進めるヒントが得られるようになります。頭を使うといっても、「着眼点」から導き出されるヒントを組み立てるというイメージです。

上の図で言うと、「着眼点」を押さえることで、今回はA→C→D→B→Eで解けばよいとわかるようになります。

(2)と(3)は完全に分類できるものではなく、だいたい同じ流れだけれど、完全にパターンとは言えないというような問題もありますが、勉強をしていく中で、(2)の要素が強い方が勉強しやすいと意識をすると良いでしょう。

ジャンルによっての得意・不得意もあるでしょうが、(1)、(2)、(3)の順で点数が取りやすくなります。勉強を進める上での方針に役立ててみてください。

これまでブログ内で数的処理に関する話をいくつか書いています。苦手としている方は、ぜひ参考にしてみてください。

https://www.komuin-test.com/category/question/study/%e6%95%b0%e7%9a%84%e5%87%a6%e7%90%86/