Q.面接に向けて、何かボランティアなどをした方が良いのでしょうか。自分自身、話の「ネタ」が必要だと思っています。
〈今回のテーマ〉
・ボランティアなど、「○○しなければならない」ことはあるか。
・面接で有効な「ネタ」とは、どんなものか。
《「整合性」をチェックしましょう》
「ボランティアはやっていないとダメですか?」
「サークルに入っていないですが、大丈夫ですか?」
「ゼミで話せることがないのですが、大丈夫ですか?」
というように、「何かをしていないとダメか?」という質問を受けることがあります。
これらについては、「整合性」が取れていれば、特に気にする必要はないでしょう。
時間は有限です。他に集中して取り組んでいることがあれば、そんなにあれこれできるものではありません。
例えば、大学まで部活動をやってきた人は、大学の勉強と部活動で手いっぱいで他のことはできないということもあるでしょう。
また、家の事情などで、大学の授業とバイト以外の活動はなかなかできなかったという人もいました。
ただし、「人の役に立つ仕事がしたいと思い、公務員を志望しています」と言っている人には聞きたくなります。
「そのような思いをお持ちでしたら、これまでどんなことをやってきましたか?」と。
「地域の役に立ちたい。」というのであれば、これまで地域に関わる活動、地域に関する勉強など、興味を持って何かしらやっているのが自然です。
「○○をしなければならない」ということは一切ありません。ただし、整合性が取れていないと疑問が生じます。その点を注意しつつ、自分自身の話したい中身を整理しましょう。
なお、ボランティアそのものについては、以下の記事で私見をまとめているので、チェックしてみてください。
《本人が「気持ちを込めて」話せることを》
面接では、「ある仕事をやりたい理由・背景」、「興味を持って取り組んできたこと」、「趣味」、など、様々な形で皆さんの「これまでやってきたこと」を聞かれます。
これまで予備校や大学で色んな人たちを見てきましたが、まさにその答えは千差万別でした。
「ある仕事をやりたい理由・背景」
・姉の子育てを手伝っていて、子育ての環境づくりに興味を持った。
・祖父母の介護から、福祉に興味を持った。
・塾講師の経験から、教育分野に興味を持った。
・大学でやってきた勉強を通して、〇〇に興味を持った。
・仕事でやってきた〇〇を通して、〇〇に興味を持った。
「興味を持って取り組んできたこと」
・スポーツ関連(最近ではボルダリング、トライアスロン、ウルトラマラソンなども)
・文芸関連(吹奏楽などの音楽、書道、茶道など)
・ボランティア活動
・アルバイト
「趣味」
・まさに千差万別(ファッション関連から、うなぎ釣りまで)
上に挙げた例の人は、いずれの人も合格者です。
さらに言えば、何か一つのことを集中する必要もないと思います。
先日、「スポーツが好きで、普段は趣味でバスケットボールとかやっていて、あとはウィンタースポーツも好きでよくやるんですが、面接では使えないですよね…」というような相談されました。
まったく問題ないというのが、個人的な見解です。
スポーツというのは、結果を出さなくてはならないものではありません。単純に体を動かすのは楽しいものですし、色んなスポーツにチャレンジするという心持ちは素敵だと思います。
本人が「昔から体を動かすのが好きで、スポーツというのは、こういうところが面白くて、これからもっとこういう事がしたくて…」とやってきたことを気持ちを込めて話せるかどうかが大切という話をしました。
面接に向けた「ネタ」という言い方をしますが、本人が話しにくいことを用意しても仕方ありません。
「ネタ」というのは、万人向けのものであればあるほど、差別化はできなくなり、その人自身の個性は出しにくくなります。
「自分自身が自然に気持ちが入るような話ができるかどうか」を一つの基準にすると良いのではないでしょうか。
もし、やりたい仕事などについて、「興味はあるネタだけど、そこまで話せない」のであれば、それを話せるように準備、整理をしていけばよいでしょう。
以前「観光に興味があるなら、都内の都道府県アンテナショップを全部巡るくらいのことをしてみては?」というような話をしたことがあります。
実体験、勉強など、様々な方法があるので、自分なりのアプローチで準備、整理してみるとよいのではないでしょうか。