自分の経歴で合格できるのか心配です。

Q.病気で非正規の経験しかなく、受験時には27歳になります。このような場合、公務員試験の合格は難しくなるのでしょうか。

 

〈今回のテーマ〉
・一定以上の年齢の場合、正社員(正規雇用)の経験が必要になるか。
・病歴などについて、採用にはどの程度、影響するか。

 

《経歴そのものよりも人物重視》

予備校では10年以上平日昼のクラスも担当していたので、大学生以外に、様々な経歴の受験生と接してきました。

以下はあくまで合格者の一例ではありますが、参考にしてもらえればと思います。

・22歳大学中退 → 都道府県庁採用

・28歳フリーター(正規雇用経験なし) → 政令市採用

・27歳正社員(治療しながら勤務) → 都道府県庁採用

・24歳既卒(3ヶ月で退職) → 区役所採用(省庁の内定も)

・24歳専門学校卒料理人 → 政令市採用

・25歳大学生(途中で別大学に入学) → 区役所採用

 

省庁や自治体ごとに採用方針はあるでしょう。特に国家総合職の一部の省庁では、学歴に重点を置いていると感じられるところもあるのは事実です。

しかし、あくまで私の知っている範囲での話ではありますが、一般論として、大学生の新卒採用に重きを置いているような企業に比べれば、採用の門戸は広いと思います。

内定者の集まりに参加してみると、大学4年生が全体の半分にも満たず、25歳以上の内定者も一定数いたりします。

このような点からも経歴そのものや年齢そのものについては、必要以上に気にすることはないと思います。

ただし、面接ではその経歴について詳しく聞かれることになるでしょう。フリーターであることは何も悪いことではありません(自分自身、大学を卒業した時点ではフリーターでした)。

そこでなぜその道を選んだのか、もしくはなぜ選ばざるを得なかったのか。その中で学んだことは何か、現在、なぜ公務員を選ぼうと思ったのか。皆さん自身の価値観やポテンシャルが評価されることになるでしょう。

なお、簡単そうに書きましたが、決して面接が緩いわけではわけではありません。

実際のところ、正規雇用で一定のキャリアを積んでいる人と比較して、高評価を得ることは簡単ではありません。少なくとも年齢を重ねている以上、新卒の大学生よりも求められる水準は高いと思っておいてください。

前回のブログも参考にしてみてください。

入社後、1年経たずに会社を辞めましたが、面接は大丈夫でしょうか?

《電話で直接問い合わせてみよう》

病気についての相談もたびたび受けていますが、基本的には通院や投薬を続けながらでも、通常の勤務ができるのであれば問題ないでしょう。

最近では、LGBTであることが採用に影響するかどうかという相談を受けることもありますが、これについても特に問題はありません。

病歴などについて、「面接の段階で言うべきですか?」という質問に対しては、それが志望動機などに関わるのであれば、言っても良いと思いますが、必ずしも言わなければならないわけではないと答えています。

ただし、面接、採用や勤務について、それぞれの抱える事情や心配は色々とあるかと思います。そのような場合、志望先の省庁や自治体に電話で問い合わせをすることをおススメしています。特に名前を名乗る必要はないので、それぞれが抱える事情について、相談してみてはいかがでしょうか。

自分自身、わからないことについては、直接採用担当の窓口に電話で聞いていますが、どこも丁寧に対応してもらえています。

また、特に採用後に何かしらの配慮をしてほしい場合には、事前に問い合わせをしておくとよいでしょう。

これは働き始めてからの話になりますが、ある自治体の総務部の人事担当がこんな話をしていました。

「予め聞いていた本人の希望に沿って配置を決めたのに、配属後に『実はこういう事情があるので、やっぱり…』と言われるのは、正直困る。早めに話していてくれれば、きちんとそれに沿って配属を考えるのに…」

と言っていました。最終的には事情を理解してもらったうえで、良い形で働けることがお互いにとってよいと思います。

 

〈まとめ〉
・経歴そのものや年齢そのものを気にしすぎる必要はありません。
・心配事がある場合には、志望先の採用担当に問い合わせてみましょう。