Q.現在、東京23区に住んでいる会社員ですが、転勤の話が浮上してきました。元々、今の会社を辞めることも考えており、次はできれば、自分の住んでいる区で働きたいと思っています。ところが、自分の住んでいる区の採用ホームページを見ても、採用の方法がよくわかりません。区の試験の流れが知りたいです。
〈今回のテーマ〉
・東京23区の試験の流れは?
・ある特定の区で働くためにはどうすればよい?
《23区の試験をわかりやすく解説》
公務員試験というのは、試験種によって微妙な差異があり、わかりにくいかもしれません。
まず結論を言ってしまいますと、特別区(東京23区のこと)の試験では、栄養士などの一部職種を除き、ある特定の区を受験することはできません。採用試験はまず特別区人事委員会という23区全体の組織で行われます。
採用試験の概要を説明をします。なお、詳細は特別区人事委員会のサイトや、試験の公示の際に「採用試験・選考案内」という文書がありますので、そちらを参照してください。
1.申し込み
まずは申込書の郵送、もしくはインターネットで申し込みを行います。この際に希望する区および組合(実は大井競馬場は23区の管轄)などを第1希望から第3希望まで記入します。なお、江戸川区のみは単願(独自採用方式)なので注意してください。
2.試験(選考)
1次試験(ペーパー試験)、2次試験(面接試験)が行われた上で、最終合格発表されます。1次試験の内容については、以下のサイトのPDFを参考にしてみてください。
3.各区の採用
合格者は採用希望者名簿に記載され、申し込み時の希望にできるだけ沿う形で、各区から採用面接の提示(オファー)が行われます。必ずしも希望通りにはなりませんし、年度や希望区(人気かどうか)によっても異なりますが、成績上位50%くらいは第1希望から提示が来る印象です。なお、希望の区でない場合は断ることも可能です。
どうしても働きたい区がある場合、成績上位に入る!…と、簡単ではないですが、それが一番の方法であることを記しておきたいと思います。
そして、提示後に、各区の採用担当による面接が行われます(上記「2.試験(選考)」で書いた面接試験は特別区人事委員会のもの)。晴れて採用となれば、ここで活動は終了。もし、不採用の場合には、その後も名簿に記載され続け、他の区・組合からの提示を待つことになります。
よく受ける質問1は「採用漏れはありますか?」というもの。残念ながらゼロとは言えませんが、稀であるという感じでしょうか。なるべく採用漏れは少なくなるように、オファーも繰り返し行われるようになっています。
よく受ける質問2は「希望区以外からの提示は断っても大丈夫でしょうか」というもの。難しいですよね…事例を挙げれば、5回目の提示で希望の区から連絡が来たという人もいます(おそらくは内定辞退者が出たので追加で採用でしょうか)。ただ希望通りになるとは限りませんし、なかなか難しいところです。
以上が区の試験の流れでした。
※注意:国家公務員の官庁訪問(各省庁の採用)は、特別区のシステムとは異なり、自ら各省庁に連絡をします。…先日、某省庁の採用担当から聞いたのですが、説明会によく来ていた学生から官庁訪問の予約連絡が来ず、しばらくしてから確認してみたら、「そちらから連絡が来るものと思っていました」との返事。皆さんもご注意を。