確率の「標準」的な問題

H30裁判所職員

①から⑨までの数字が一つずつ書かれた9枚のカードから5枚のカードを同時に取り出す。この5枚を数字の小さい順に左から一列に並べたとき、左から2番目に⑤のカードがある場合の確率として正しいものはどれか。

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最近、このブログでは、直近の本試験問題を取り上げています。

意図としては、今までの勉強で身につけた力が、最近出題されている本試験問題で通用するか確認してもらうことにあります。

問題集を繰り返して解くのもよいですが、まったく同じ問題が出題されるわけではありません。

特に数的処理は「知識」だけではなく、文章の読み取り、思考、計算など、「処理」する力が問われます。

これらが身についているかどうかは常に確認するように心がけててください

ということで、今回は簡単すぎず、難しすぎず、ちょうど「標準」的な確率の問題を取り上げてみました。

これが解ければ、確率の問題で、場合分けの処理以外については、ある程度の力がついていると判断してよいでしょう。

確率の問題は、常に似たような方針で解くことができます。

本問も例外ではありません。

左から2番目に⑤があるということは、左から1番目に①〜④のいずれか1枚があり、左から3、4、5番目に⑥から⑨のうち3枚があるということです。

(1)この設定を満たすケースを1つ書き出します。なお、同時に5枚取り出しても、1枚ずつ取り出しても確率は同じです。1枚ずつで考える解き方を推奨しています。

①→⑤→⑥→⑦→⑧の順で取り出したケースを考えます。

(2)次にこのときの確率を求めます。そうすると、①を取り出すのは1/9、⑤を取り出すのは1/8、以下同様になります。

(3)他のケースを考えましょう。1番目の①ですが、これは①〜④のいずれでもよいので、4通りあります。

さらに3番目の⑥ですが、これは⑥〜⑨のどれでも構わないので4通り、4番目は3番目以外であれば、どれでもよいので3通り(例えば、3番目が⑥なら、4番目は⑦〜⑨の3通り)、同様に5番目は、3、4番目以外の2通りです。

ここで終わりにしてしまいそうですが、気をつける必要があります。

仮に、当たり2枚、はずれ3枚のような問題のとき、(2)「当→当→は→は→は」を求めたとき、(3)の場合の数で他の出方として、「×5C2」をする必要があります。

本問も同様に考えます。⑥→⑦→⑧→①→⑤の順で取り出したときも、問題文にあるように「…5枚のカードを同時に取り出す。この5枚を数字の小さい順に左から一列に並べた…」わけですから、条件を満たします。

①〜④が1回、⑤が1回、⑥〜⑨が3回という出方を考えます。

①〜④が5回中1回で5C1、⑤が残った4回中1回で4C1、念のため⑥〜⑨が残った3回中3回で3C3、これを「×場合の数」することになります。

あとはこれを計算しましょう。以下のように、8/63になり、正解は3になります。

[正解3]

基本問題は「×場合の数」の部分で悩むことが少ないですが、標準レベルの問題では、「×場合の数」で悩むポイントが出てきます。

その点を重点的に意識をして確率の学習をすると、安定して点数が取れるようになるでしょう。

本問のレベルに該当する問題を多数取り上げてみました(宣伝です)。

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