直前期にはどんな勉強をするべきでしょうか。


Q. 試験まで残すところあとわずかになりましたが、まだマイナーテーマなどはマスターしきれていない感じがします。ここからラストスパートをかけようと思っていますが、どのような勉強をすればよいでしょうか。

〈今回のテーマ〉
・直前期でやるべき勉強は何か?
・応用問題の勉強はどこまでやるべきか?

 

《いわゆる「知識もの」をもうひと伸びさせましょう》

残り時間が短い中で、「経済学」のように理解に時間のかかる科目や、「数的処理」のように作業が伴う科目で点数を伸ばすのは容易ではありません。

理解をするためには勉強時間もかかりますし、計算などの作業が含まれるジャンルは本試験で確実に点数が取れる保証がありません。

これからの勉強では、覚えていれば解ける「知識もの」の学習が最も効果的です。

試験にもよりますが、時事問題が5問程度出題されるような試験では、時事対策の市販本や、新聞ダイジェストなどで、法律・政治・経済などを中心に確認するとよいでしょう。

また、教養試験(基礎能力試験)の一般知識の学習も重要です。人文科学(歴史、地理など)、自然科学(物理、化学、生物など)は出題範囲も幅が広く、勉強が後手に回っている方もいるかもしれません。これらの科目については、「手の付けやすいジャンル」を「薄く広く」学習することをおススメしたいところです。

例えば、1題しか出題されない苦手な物理のために、今から頻出テーマの「力学」を目いっぱい時間をかけて学習しても、本試験で「放射線」の問題などが出題されたら、勉強が無駄になってしまいます。

一般知識は各科目の出題数が非常に少ないです。この時期ですので、苦手なジャンルは切り、高校時代からなじみがあったり、公務員試験の勉強を通じて、苦手意識の少ないジャンルのみを暗記していけばよいでしょう。

「手の付けやすいジャンル」と表現したのは、科目にこだわる必要はないからです。物理も「力学」がダメなら、「電気回路」だけやるのでもよいと思います。生物でも「遺伝」が無理ならそこを切って、他は覚えるというように、もうひと伸びしそうなところでに集中して力を注ぎましょう

また、以下の記事の中で、勉強方法の一例についても書いてありますので、参考にしてみてください。

https://www.komuin-test.com/%E5%B8%82%E5%BD%B9%E6%89%80%E8%A9%A6%E9%A8%93%E7%9B%B4%E5%89%8D%E6%9C%9F%E3%80%81%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%AA%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%82%88%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%99/

 

専門試験では、社会学や行政学、経営学のように、比較的暗記で対応できる科目の詰込みがおススメです。まだ学習が進んでいない科目で、試験での出題数が多い科目を中心に詰込みをしましょう。


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《目次勉強法で、基本の確認を》

主要科目でもう一度行いたいのが、基本の確認です。応用は難易度が高く、それだけ習得にも時間がかかりますので、今から手をつけるのはあまり有効ではありません。短い時間で本試験の得点を伸ばすためには、気づかぬ間に抜けてしまっている知識がないか、これを確認するのが有効でしょう。

試験の合否は、他の受験生との比較によって決まります。他の人が取れない応用問題は取れなくてもプラスマイナス0点ですが、他の人が取れる基本問題をうっかり落としてしまうのはマイナス1点です。できているつもりが最も怖いので、そのチェックに時間をかけるのがおススメです。

では、どのような方法で網羅的にチェックをするか。個人的に好きなのが「目次勉強法」(勝手に命名)です。

テキストの目次に書いてあるテーマを見て、頭の中でそのテーマの重要事項を思い浮かべます。思い浮かんだ項目はある程度覚えているはず。思う浮かばなかったところは、ちょっと怪しいので、軽く復習。こんなことを緻密にではなく、テンポよく進めていくと、網羅的なチェックができると思います。

数的処理の具体例として、「一筆書き」で思い浮かべてみましょう。実際に頭の中にそのポイントを思い浮かべてみてください。

「一筆書き」
◎一筆書きができるのは、奇点が0個か2個のときのみ。
〇奇点0は始点と終点が一緒、奇点2は一方の奇点からスタートして、残りの奇点で終わり。
〇一筆書きを可能にするタイプは、奇点同士をつないで(外して)偶点に。
▲点と線の関係だけに注目する「位相」の問題も、1つの点に集まる線の数に注目。

ごく簡単にではありますが、重要度が高い順に◎、〇、▲として取り上げてみましたが、いかがでしょうか。数的処理のように、作業が関わる科目よりも、専門科目のように知識が問われる科目のほうが、より効果的だと思います。基本事項の抜けを防いで、試験であと1点、あと2点、伸ばせるように頑張りましょう。

残り時間が短いと思っていても、優先順位をつけてみると、まだ点数を伸ばすためにやれそうなことが見つかるはずです。体調管理に気をつけつつ、ラストスパートがんばりましょう。

〈まとめ〉
・丸暗記で点数が取れる「知識もの」を中心に学習しましょう。得点を取るための効果は高いです。
・基本の抜けがないかをチェックし、本試験での取りこぼしが無いように対策しましょう。
・時間がないと思わず、優先順位をつけて最後まで1点でも多くとれるように頑張りましょう。