数的処理のマイナーテーマについて

Q.数的処理の過去問を解いていると、あまり出てこないテーマを見かけますが、どこまで勉強すべきなのか悩みます。完全に切ってしまってもよいのか、それとも、全部きちんと勉強した方がよいのか、何か方針はあるのでしょうか。

 

〈今回のテーマ〉
・「マイナーテーマ」は日頃の勉強でどこまで扱うべきか。

 

《「見たことがある」ことの重要性》

比較的、数的処理の授業でよく受ける質問です。各種テキスト・問題集では、難易度や重要度がつけられていますし、私自身もテキスト、レジュメでは、テーマごとに重要度、問題ごとに難易度を掲載しています。

教える側としてみると、見ておいて欲しいからすべて掲載しているわけでして、全部やってほしいというのが本音です。

私自身の場合、「自分のテキスト、レジュメをやり込んでくれれば、それだけで90%以上の問題は対応できる」という想定で作っています。

しかし、自分自身、元受験生ですし、そちらの側に立てば、他の科目もあるわけで、点数に繋がりにくい勉強はなるべくしたくないという気持ちも理解できます。

そこで私は「マイナーテーマも、とりあえず問題と解説は目を通す。」ことを推奨しています。

例えば、「魔方陣」のような独特なパズルの問題、「ハノイの塔」のような操作手順の問題や、順序の中でも「折り返し」の問題、空間把握では「一筆書き」(これはそこまでマイナーではないですが…)などの問題は、決して出題頻度は高くありません。

本試験でそれらの問題が出題されたことを考えてみます。

1.理想はきちんと勉強して解法も覚えていて、点数が取れる。

2.一度見たことがあり、「解き方を忘れた」とすぐにその問題を切る。

3.見たことは無かったけど、その場で考えて何とか解ける。

4.見たことがなく、問題に取り組んでみたけれど、解けない。

1から4の中で、理想は1であることは間違いありません。2と3については、どうでしょうか。

3はたしかに点数が取れればよいですが、これらマイナーテーマの問題は解き方を知らないと厄介なものが多いです。その1問に時間がかかりすぎると、他の問題にも影響しますし、4になるリスクも抱えています。

意外と悪くないのが2だと思います。「あ、魔方陣って、前にチラッと見たけど、あれ普通に解くの面倒なんだよな…。解き方も覚えてないし、切ろう。」とすぐに決断できれば、無駄に時間をロスすることは避けられます。

最悪なのが4なのは自明でしょう。解きにくい問題に、その場で取り組んでしまい、しかも解けない。点数が取れずに時間をロスすることになります。取れそうな問題に時間を割くことが数的処理では非常に重要です。

良い順に1>2=3>4とする場合、「その問題を見たことがあるかどうか」が分岐点になります。

見たことがあり、解法を覚えていれば、すぐに解けます。見たことがあり、「これは無理」と判断できれば、すぐに問題を切ることができます。

何れにしても、判断を早く行うことで、残った時間を解くべき問題に回すことができます。

これがマイナーテーマであっても、日頃の勉強で「とりあえず問題と解説に目を通す」ことを推奨する理由です。

《「覚えれば解ける」問題を大切に》

数的処理が苦手な方は、やはり「考える」という要素と、場合分けや、書き出して試すなどの「作業」(処理)という要素が、不得意な傾向にあります。

しかし、数的処理の中には「覚えれば解ける」という問題も存在しています。特に今回取り上げたマイナーテーマの中には、そのような問題が数多くあります。

例えば、「ハノイの塔」の問題であれば、N枚の円盤があるときの、最小回数は「2のN乗−1」になります。

このように「覚えれば解ける」問題が出題されたときに、落とさないようにするのも重要です。

実は…決して、数的処理が得意ではないのに一定の点数を取れている人は、「覚えれば解ける」問題を落としません。また、解法パターンや着眼点を「覚える」ことで取りやすい問題を中心に点数を取っています。

あらためて「覚える」ことを日頃の勉強で意識してみてください。

 

〈まとめ〉

・マイナーテーマも「見たことがある」ことで、本試験で「切る」判断がスムーズにできます。

・マイナーテーマでも「覚えれば解ける」問題は勉強しておくとよいでしょう。

・あらためて「覚える」ことを数的処理の勉強で意識してみましょう。