「理解」をするために

数的処理の質問を受ける際に、受験生の方の「前にやった時には、わかったと思ったのですが…」という言葉をよく耳にします。

勉強をしていて、一度、わかったと思っても、忘れてしまう。再度、テキストを読み直さないと、思い出せないということは、私自身、いつも、そして、今も経験しています。

(今、主にpythonという言語を使って、プログラミングを勉強しているのですが、何度、テキストを読み返しているか…)

記憶の定着には、[I×T]、Impression(印象)とTimes(回数)の掛け算が重要です。

じっくりと理解をすることを心がけた上で、一度で理解しようとするのではなく、二度目、三度目と繰り返すことで、「あ、そういうことか」と腑に落ちる瞬間が訪れます。

ある程度、勉強を進めていく中で、自然と理解も進み、再度、振り返ってみると、書いてあった内容がより理解をできるということはよくあります。

そういう意味では、勉強において、繰り返しという要素は重要であることは間違いありません。

ただ、これは文中にも書いた通り「じっくりと理解をすることを心がけた上」というのがポイントで、ただの作業の繰り返しでは、理解の定着は進みません。

では、どうすれば、じっくりと理解をするというスタンスで勉強ができるのか、言い方を変えると、どうすれば自分自身に「impression」を与えることができるのか。

それには自分自身も含めた誰かに「教える」ことを前提として、勉強をするのが効果的です。

例えば、「ニュートン算」というジャンルについて、勉強をしたら、何も見ないで、ニュートン算について、どういう設定の問題で、どうやって解けば良いのかを教えてみましょう。

友人に同じ公務員受験生がいれば、それが一番良いでしょうし、誰か他の人でもよし、また、いっそ人に教えなくても、自分自身に教えるのでも構いません。

教えるためには、ただ問題を解く以上の理解が必要となります。「こういう問題は、こういうふうに解いていく」ということを類題を何問か使って説明できれば、自分自身でも曖昧さが無くなり、確実に理解をすることができるでしょう。

今回は数的処理で例として挙げましたが、法律や経済など、内容の理解度が問われる科目では、有効な学習法のひとつです。

自分では「本当に理解をしているかどうか」をなかなか判断することができません。また、ただの繰り返しではなく、「じっくりとした理解」をどう心がければよいかもわかりにくいところです。

ひとつの判断材料として、参考になればと思います。