東京都職員の採用減について

*以下の内容については、私見であり、所属する予備校としての見解ではありません。その点をご留意ください。

令和2年度東京都職員採用試験について、採用予定数者数が公表されました。

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/02/27/07_01.html

行政・事務についてはおよそ50%減となり、東京都を志望されている受験生の皆さんは、非常に驚かれたことと思います(私自身も非常に驚きました)。

この度の採用予定者数の減少による影響と対策について、以下で述べていきたいと思います。なお、あくまで私見、想定ですので、一つの判断材料に留めていただければと思います。

受験生のヒアリングを参考にしたところ、近年実施された東京都1類B(一般方式)の1次試験の合格ラインはおよそ24/40点でした(年度によって若干異なります)。

1次資料を元に単純に1次合格者の人数を1/2とした上で、得点分布を想定(実際の東京都の試験の得点分布ではありません)し、自分なりにシミュレートをしてみました。

今年度の試験を例年と同じ難易度と仮定した場合、1次試験の合格ラインは3.5〜4点程度上昇することが見込まれます。

ただし、実際にはもう少し合格ラインは下がるというのが個人的な見解です。

(1)併願先として、東京都を受験する人数が減少する。

採用数が減少するとなれば、特別区など、同日に実施される他の試験に一定数流れることが予想されます。ただし、肌感覚ではありますが、東京都はそこを第一志望としている人も多く、また、国家総合職受験者の併願先としても有望(専門科目の科目数が少ない)ですので、合格に影響する受験者層について、そこまで大きな減少には至らないと考えています。

(2)面接重視の傾向から1次合格者を単純な半減にはしない。

一般に「学力<面接」の傾向は強まっています。採用予定数が半分にするときに、単純に1次合格者を半減させるかは疑問が残ります。昨年度と同程度の面接官のキャパシティーがあるのであれば、1次合格者では絞り込まないのではないかと考えています。

上記の理由から、昨年度までと同じ難易度の試験と想定するならば、1次試験での合格ラインは、26〜28点程度になると予想します。

(あくまで憶測に基づいた個人の見解として捉えてください。)

なお、ここ10年で問題が最も易しかった年は、1次試験の合格ラインが30点でした。難易度によっても大きく変化することは念頭においてください。

この点を踏まえた上での今後の学習についてですが、まずは近年の本試験問題を通しで解いて(時事は除く)、正答率65〜70%を取れることを目標にしましょう。

(なお、正答率で表した理由は、東京都の試験では時事問題が5問程度出題されますが、過去の時事問題をカウントするとブレが出ますので、それを除いて解いた場合を想定するからです。)

このために必要なことは、数的処理の正答率を上げることはもちろん、一般知識の幅広い学習、そして、5問程度出題される時事問題への準備が挙げられます。

仮に数的処理が6問しか正解できないとなると、この時点で最高得点は30点ですので、残り2〜4問しかミスができなくなります。

また、数的処理と文章理解で18点を取れたとしても、残り16問を8〜10点取る必要が出てきます。一般知識と時事の学習は一定量必要となります。

先ほど極端な例として挙げた合格ラインが30点だった年は、一般知識や時事問題をどれだけやり込んだかが、明暗を分けたという印象を持っています。

専門記述は完璧に書けたのに、教養択一の点数が足りなかったという受験生が非常に多かったです。

教養論文、専門記述とのバランスも重要です。しかし、1次試験の合格ラインが上がることが想定される状況においては、重点的に教養択一試験での点数の向上を目指す勉強を推奨したいです。

採用予定者数の減少が伝えられ、気持ちの整理がつかない方もいるかもしれません。しかし、どこかで気持ちを切り替えて、合格するために何をすべきかを考える必要があります。

条件はどの受験生も同じことを思い出してください。皆さんを陰ながら応援しています。