
Q.数的処理の勉強を勉強をしていますが、なかなか新しい問題が解けるようになりません。前にやった問題も忘れてしまっています。何か勉強方法が間違っているのでしょうか。
〈今回のテーマ〉
・数的処理の勉強の勉強の基本方針とは?(空間把握)
・空間把握の勉強で注意すべきポイントは?
《空間把握の勉強方針(Step.1.2.3)》
数的処理の勉強の仕方について、数的推理、判断推理と続けてきました。今回は「空間把握」についての話をしていきたいと思います。
数的処理全体の勉強として重要なのは、「覚えること」です。これについては、以前のブログをまず参考にしてください。
【ブログ記事】数的処理が苦手なんですが、どうすればよいですか?
数的処理の中で、空間把握というジャンルがどういう特徴があるのかを確認していきましょう。
数的推理(速さ、確率、図形など)と判断推理(試合、位置関係、嘘つきなど)の比較の際に、数的推理はジャンルごとの関連性が低くテーマごとに独立しており、判断推理はジャンルごとの関連性が高いという特徴がありました。
【ブログ記事】数的処理の点数が伸びません(その1:数的推理編)
【ブログ記事】数的処理の点数が伸びません(その2:判断推理編)
空間把握は、軌跡、展開図、投影図など、それぞれのジャンルでのアプローチの仕方が異なります。
つまり、数的推理同様、空間把握は「ジャンルごとの関連性が低く、各ジャンルでの着眼点・解法パターンが全く異なる」のが特徴です。
この点を踏まえて勉強法を考えてみましょう。空間把握の勉強の基本方針は次のようになります。
[Step.1]
ジャンルごとの学習。基本テキスト・基本問題で「知識」「着眼点」「解法パターン」を覚える。
[Step.2]
過去問集などでStep.1で解いた「基本」問題の類題をまとめて解く。
[Step.3]
本試験問題を通しで解き、実力チェックをする。
基本的には数的推理と同じような勉強の進め方です。それぞれについて、詳細を述べていきましょう。
[Step.1]
ジャンルごとの学習。基本テキスト・基本問題で「知識」「着眼点」「解法パターン」を覚える。
何度も述べている通り、まずは「覚える」ことをスタートにしてみましょう。ジャンルごとにそれぞれのポイントがありますので、まずは手を付けやすいジャンルからやってみてください。
空間把握は図形の要素が絡むせいか、苦手意識を持つ人が多いテーマです。特に想像力が必要なジャンルは嫌な人も多いでしょう。それならば、苦手なジャンルは切ってしまうことも可能です。数的推理同様「ジャンルごとの関連性が低い」ため、「投影図」が解けなくても、「軌跡」は解けます。
空間把握であれば、そもそも想像ができないという人も多いと思います。特に想像力を鍛える方法は無いわけではありません。まずは展開図であれば、テキストをコピーして実際に組み立ててみたり、軌跡の問題であれば、実際に移動させてみるなど、ひとつひとつ実物を確認し、動かしながらやってみるのは効果的です。
しかし、想像力を身につけるには、時間がかかるでしょう。出題される100点のうち50点の問題で想像力が必要なら話は別ですが、実際には出題されても10点~15点分です。周りも点数が取れない問題で、あえて点数を取る必要はありません。
まずは苦手なジャンルはまず後回しにして、点数に結びつきそうなジャンルからやっていきましょう。特に知識を覚えてしまえば、それで十分に解ける問題(一筆書き、位相、経路など)や作業を丁寧の行えば解ける問題(軌跡、展開図、スライス法、五面図など)はコツを掴めば対応できるものも多いです。
お手持ちのテキスト、また問題集の基本問題などで、そのジャンルの問題の「知識」「着眼点」「解法パターン」を把握し、「丁寧に作業」をして正解を導き出せるようになることが重要です。
[Step.2]
過去問集などでStep.1で解いた「基本」問題の類題をまとめて解く。
空間把握も数的推理同様、お手持ちの問題集などで、手をつけやすいジャンルごとに、展開図ならそれだけを5問以上集めて解く時間を作りましょう(数的推理編を参照してください)。
[Step.3]
本試験問題を通しで解き、実力チェックをする。
「展開図の問題を勉強しよう」と思って解きはじめるのと、本試験のように時間の制約がある中で、いきなり初見の問題が目の前に現れてくるのとでは、大きく状況が異なります。
実際の試験と同じ設定で問題を解き、その中できちんとポイントを思い出し、問題を解けるか、この確認はとても重要です。
特に空間把握の問題は、図を自分で描くなど、試験時間が厳しい中で、様々な作業を迅速に、そして丁寧に行う問題が多く出題されます。ひと目で見て、ポイントを思い出し、スムーズに作業をしていくことが求められます。少なくとも試験3~4か月前には取り入れたい練習です。
また、空間把握では、与えられた選択肢の図を利用して解く(選択肢から消去法)など、他のジャンルとは違った解き方をすることもあります。そのあたりに対する慣れも必要になってきます。

《空間把握は「名前を付けて」可視化する!》
空間把握は立体図形や、図形が移動するタイプの問題など、一見すると、想像力が必要な問題が出題されます。ひとつの対応の仕方が、「知識」や「着眼点」を覚えることです。
それに加えて、もうひとつ重要なのは「可視化」です。空間把握では独特な可視化の方法があります。それが「名前を付けて」可視化する方法です。
例えば、投影図(立体図形)の問題において、どの部分が上でどの部分が下か。上下、前後、左右を書くだけで、何も書いていない状況よりも見え方が変わってきます。
展開図の問題では、例えば、印が集まる頂点について、Aと名前を付け、その多角形の各頂点に例えば右回りにB、C、Dと名前を付けます。これだけでだいぶ状況はわかりやすくなります。
軌跡の問題でも、多角形を転がすとき、回転の軸になる頂点をAとし、次にくっつく頂点にB、さらにCとつけていけば、状況把握はしやすくなります。
想像をするというのは、見えないものを頭の中に思い浮かべようとすることであり、非常に難しいものです。可能な限り見えないものを見えるようにする、つまり、「可視化」することは数的処理全般において重要です。
空間把握における「可視化」として、「名前を付ける」ことでまずは可能な限り見える状況を作ることが重要なことを押さえておきましょう。