数的処理が出来ずに困っている方へ

Q. これまで数的処理を勉強してきたのですが、なかなかできるようになりません。試験も近づいてきているのに、復習しなくてはならないところばかりで、どうすれば良いか困っています。

ある程度、数的処理の勉強をしているのに、なかなか点数が伸びない、具体的には、テストをやってもいつも正答率が30%程度で、なかなか5割まで届かないという人がいます。

今回のブログは、そのような人に向けての記事になります。

理想をいえば、どのジャンルでも、基本的な問題を確実に解けるようにすることで、点数を安定させて欲しいと思っています。

しかし、「空間把握がどうしても苦手」であったり、「文章題はいつも式が立てられない」などが積み重なり、さらに試験中それらの問題に時間が取られてしまうことで、他に時間を回せず、取れるはずの問題でも点数が取れないという悪循環が生まれている人がいます。

決して万人にお勧めできる方法ではないのですが、本試験が近づいてきている中、点数を取るために、解く問題を「絞る」というのも一つの方法です。

上手くいったケースを一つ紹介したいと思います。5年ほど前になりますが、年が明けてから予備校の他校舎で受講されていた方が「数的処理がまったくできない…」ということで相談に来られました。

本人の不得意分野と、志望先(特別区)を聞いた上で、次のような提案をしました。

・資料解釈は日頃からやりこんで、本試験で多少時間をかけても満点を取る。

・判断推理は本試験では、「はまる」ことは避け、ひたすら場合分けで解けそうな問題を解く。

・数的推理は苦手ジャンルは切る。ただし、解法パターンのはっきりした問題だけは準備をする。

・空間把握はすべて切る。

当時の特別区は数的処理が15問出題でした。本試験では、資料解釈は全4問正解、判断推理は何とか2問正解、数的推理は1問正解(用意していたニュートン算が取れた)、空間把握は解かない。ランダムで付けたところから1問正解。合計8/15という結果になりました。

結果、無事に合格になりました。

この方法を胸を張ってお勧めしたいかといえば、そんなことはありません。薄く広く用意をしないことのリスクは当然あります。

しかし、すべてを中途半端にして点数が伸びないのであれば、「絞る」ことで点数を伸ばす可能性の模索するのも一つの方法でしょう。

特に「模擬試験」や「過去の本試験問題を通しで解く」などの試験中、色々な問題に手を出してしまい、結果として全部が中途半端になってしまっている人は、試験のときに解くべき問題を「絞る」ことを試してみてください。解くべき問題を絞ることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

では、具体的に「解くべき問題」とは、どんな問題でしょうか。基本的には以下の2つだと考えます。

(1)解法パターンがはっきりしている問題

(2)「考える」要素が少なく、計算や場合分けなどの「作業」で解ける問題

例えば、同じ「旅人算」に分類される問題でも、周回する問題もあれば、途中で休む人がいたり、移動する速さを変える人がいたり…こういう問題は、パターン化しづらく、対処しづらいと感じる人も多いでしょう。

しかし、同じ数的推理でも、先ほどの「ニュートン算」や「剰余の問題」は、かなり解き方がはっきりとしています。数的処理が苦手な人にとっては、このような問題の方が解きやすいのではないでしょうか。

また、同じ判断推理でも、条件や設定に含まれた意味を捉えなければ上手く解けない問題と、ひたすら場合分けをすれば解ける問題であれば、「作業」だけで済む後者の方が解きやすいでしょう。

資料解釈であれば、「資料の読み取り」さえできれば、あとはひたすら計算という「作業」で解くことができます(国家系の試験では、資料の読み取りに「考える」要素が含まれてきますが)。

まずは、今の状態で一度、「模擬試験」や「過去の本試験問題を通しで解く」とき、解くべき問題を「絞る」ことを試してみましょう。意外と解かない問題を増やすことで点数が伸びるかもしれません。

試験中に解くべき問題を絞っても点数が取れない人は、まだ地力が足りないのかもしれません。日頃の勉強で(1)や(2)の習熟度を上げて、少しでも取れる問題を増やしていきましょう。

まだ、試験まで時間はあります。試験のときに少しでも点数を伸ばすような勉強をしていきましょう。応援してます。