上式のxを求めることができますか?
もし、式を見た瞬間に解き方がわかった方は、今日の記事は読まなくても大丈夫でしょう。
少し回り道をしながら、今日は「分数の計算」について、お話をしたいと思います。
問題が解けなかった時、皆さんは解説を読み、復習をするかと思います。その際に必ず意識をしてもらいたいのは「何が原因で解けなかったか」です。
理由はいくつか考えられるでしょう。
・問題文が読み取れなかった。
・公式を知らなかった(忘れていた)。
・解法を知らなかった(忘れていた)。
・式が立てられなかった。
・計算ができなかった。
・場合分けをしなかった。
…
今回は、分数の計算について、たびたび受ける質問をベースに基本から確認をしてみたいと思います。
皆さんは次の計算をどのように行いますか?
一般的には、分母を通分して計算します。48と60の最小公倍数を求めて(求め方がわからない方は確認しましょう。ブログでは、次回以降の更新で触れたいと思います)、分母を揃えれば良いですね。
48と60であれば、最小公倍数は240ですので、1/48は分母と分子に「×5」を、1/60は分母と分子に「×4」をします。
あとは分母の揃った5/240と4/240を足して計算すれば終わりです。
一般的に教わるのはこの方法でしょう。この計算ができれば十分ですが、中には分母を揃えるところで四苦八苦という人もいるかもしれません。
そんな方にぜひ覚えていただきたいのは、分数の計算で「分母を消す」という方法です。
求める答えをxとして、x=1/48+1/60とします。分母を消す際に、48と60の両方をまとめて消せれば理想的ですが、まずは「×60」で一方だけを消しても良いでしょう。
両辺「×60」で、xは60x、60/60=1になり、60/48は約分して、5/4になります。
5/4の分母の4を消すために次は「×4」をします。
両辺「×4」で、60xは240x、5/4は5に、60/60=1は4になります。
あとは240x=5+4となり、これを解くと、x=3/80になります。
このように分母を揃えて計算するのではなく、「分母を消す」方法もあることを覚えておきましょう。
それでは、冒頭の計算に戻りましょう。
東京都や特別区で出題された仕事算の計算で、受験生の方からよく質問を受ける計算です。
分母に未知数が入る計算が苦手な人は、ぜひ「分母を消す」ことを試してみてください。
左辺の1/xは分母のxを消したいので、両辺にxを掛けます。右辺の1/x+4も分母のx+4を消したいので、両辺にx+4を掛けます。また、同様に両辺にx+9を掛けます。
作業を分けても良いですが、まとめて分母を消すには、両辺にx(x+4)(x+9)を掛ければ良いことがわかります。
左辺では分母のxが消え、右辺では分母のx+4とx+9が消え、分数の無い式になりました。
あとは以下のように解けば、xを求めることができます。
分数の計算で引っかかってしまいがちな人は、分母を揃えるのではなく、「分母を消す」ことを意識してみてください。
煩雑な計算をすればするほど、ミスも多くなります。自分なりにミスが少なく、楽ができる計算方法を身につけましょう。