内定後には何をやるべきでしょうか。

Q. 内定もらえました!働くまでの期間に内定に何をしておくべきか、勉強しておいた方がいいものなど、内定が出た人への内容を書いていただくとありがたいです。

〈今回のテーマ〉
・内定をもらってから、働きはじめるまでの間にやるべきことは何か。

 

《「まとまった時間」が必要なことをやってみませんか?》

今回は番外編ということで、内定が決まった方に向けた話を書いてみたいと思います。似たような話は大学の学生さんにもよく聞かれますので、興味があったら読んでみてください。

まず、働きはじめて、今まで以上に時間が無くなるかというと、そんなに大きく変わるわけではありません。

大学生であれば、日中は大学の授業に出席し、夜は公務員試験の勉強、空いた日や時間を融通して、アルバイトを入れ、さらにサークル活動などにも参加…社会人よりむしろ忙しい生活をしている人もいるのではないでしょうか。

土日が休みの仕事の社会人であれば、平日の終業後や休日などは、今まで通りの余暇を過ごすことができます。中には「朝活」のように、始業前の時間を有効に活用する人もいます。

では、大学生と社会人との大きな違いは何か。「まとまった休み」が取れるかどうかです。

働きはじめると、最長1週間程度の休暇を取ることはできるでしょうが、1か月の休暇を取るのは困難です。

大学生であれば、春休み、夏休みは2か月程度ありますし、内定をもらってから4月1日までは、大学の授業が無ければ、長い期間を自由に使うことができます。

若いうちに数ヶ月単位で好きなことができるのは、まさに今しかありません。

定年まで働き続けるのだとすると…皆さんの時代だと、70歳、いや、75歳でしょうか。せっかくですから、数ヶ月間、思い切って、好きなことに楽しく打ち込むのがオススメです。

そんなに難しいことではありません。旅行好きの方なら、お金を工面して国内でも海外でも長期間に渡ってた時間に囚われない旅をするのも良いでしょう。…個人的には折り畳み自転車を持って、着の身着のまま1ヶ月くらい自転車+電車旅行をしたいですね。

中には「ダイビングの資格の取得を今のうちにしておきたい」など、仕事や趣味などで必要な資格を取得するという人もいました。

もちろん、大学にいる間に、自分の研究テーマを文献を漁りながら、納得のいくまでやるのも楽しいと思います。興味のある内容を、寝食を忘れるくらい集中して学ぶというのも、大学生らしい時間の使い方だと思います。

就職先によっては、就職時までの課題のようなものが課されるところもあります。しかし、仕事そのものは仕事をしながら、基本的に4月1日になってから覚えれば十分でしょう。

これから始める仕事について、中身がわからないまま準備を始めるよりも、興味を持ったことを新たに初めてみたり、好きなことに打ち込む方が、社会人としての成長に繋がると思います。

 

《「お金」のこと知ってますか?》

…と、これだけの話で終えてしまったら面白くないので、ちょっと変化球を投げてみたいと思います。

過去に国家一般職の論文試験で「金融教育」を題材とした問題が出題されました。「そもそも何?」と言っている方など、苦戦した受験生が多かった印象です。

また、金融庁の官庁訪問を控える学生さんと面接対策をしたときに、俗に言う「上場ゴール」とか、話すネタとしてどうかと提案したところ、「あの、株とか、上場とかわからないんですけど…」と言われ、そのあたりの基礎知識を叩き込んだことがあります。数年経って会ったときには、立派な金融庁の職員になっていました。

また、自分くらいの年齢になると、日常の会話で「お金」の話が出てきます。不思議なもので、数学が得意な人でも、「お金」についてはよく知らないという人が多いです。

日本では、比較的、お金の話がタブー視される傾向にあり、金融教育も遅れています。しかし、皆さんは社会人になって、これから生活をする、つまり、資産設計・管理をすることになります。「お金」について学んでおくことは、今後の人生においてとても大切でしょう。

一例を挙げると、今年話題になった以下の金融庁の調査です。

[投信で損失、個人の半数 金融庁調査]

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32607510U8A700C1EE9000/

[投資信託の販売会社における 比較可能な共通KPIを用いた分析]

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20180629-3/03.pdf

簡単に言ってしまうと、銀行で投資信託を購入した個人の約半数が損失を出しているという内容です。

2018年3月末の調査ですので、直前に調整は合ったものの、ここ数年、日経平均株価、アメリカのダウ平均株価、S&P500指数なども大幅な上昇をしています。それにも関わらず、半数近くの人が損をしているという内容です。

何も知識が無く、手数料の高い商品を購入し、売買を繰り返すことでまた手数料を払い、結果として、株価は上昇しているのに、損をしてしまうということでしょう。

2018年10月末時点で投資信託は約6000本も販売されていますが、その中で検討に値する商品は1%未満ではないでしょうか。

以前に比べて日本の投資信託も良い商品が増えてきているのは間違い無いですが、ひどい商品もたくさん混ざっているのが現状です。そこに対して、金融庁はメスを入れようとしている印象です。

保険についても、果たして自分にとって何が必要かを見極めることで、「何となく不安だから入る」ということも無くなると思います。何となく不安ならば、お金を貯めるか、運用する方が良いケースも多いでしょう。

「社会人になる前に、何か必要な勉強は?」と聞かれたら、これからの自分の生活のために「お金」の勉強をすることをオススメしたいと思います。

…ここ数年、「お金」の話を相談されることが増えてきたので、一応、FP(ファイナンシャル・プランナー)を取りました。

自分の「お金」の勉強であれば、正しい資産運用の仕方、正しい保険の選び方のような書籍で学ぶ方がよいでしょう。FPの勉強そのものをするよりも、そちらの方が有効であることを付記しておきます。2、3冊読めば、十分な知識が得られるでしょう。良いブログもたくさんあるので、探してみてください。

〈まとめ〉

・せっかくのまとまった時間で「やりたいこと」に打ち込んではいかがですか。

・もし、勉強をするのであれば、これからの生活のために「お金」の勉強をしてみませんか?