この時期の専門科目の勉強について迷っています。

Q. 約半年前から勉強をはじめ、専門科目、教養科目ともある程度の勉強を進めてきましたが、特に専門科目の科目数が多く、試験まで残り半年、どのような配分で勉強を進めればよいか悩んでいます。

 

〈今回のテーマ〉
・勉強の優先順位の付け方は?
・各科目を勉強するタイミングは?

 

《科目の特徴を確認しよう》

ある程度、勉強を進めていくと、復習しなければならない科目も増え、何からどう手をつけていけば良いか、悩む人も多いようです。

今回は特に専門科目について、触れていきたいと思います。

まず、一般論として、よく言われるのは、「法律系と経済系のメイン科目が優先」、「行政系や、マイナー科目は後になってから」ということです。

その理由は、法律系や経済系は「理解」の重要度が高いため、後回しにすると学習時間が足りなくなります。「理解」ができれば、忘れにくいため、先に学習しておくのが一般的です。

また、憲法・民法・行政法・ミクロ経済学・マクロ経済学は、様々な試験で出題される点も理由として挙げられるでしょう。

それに対して、行政系は確かに基礎的な理解も重要ですが、「暗記」の要素が多分に含まれてきます。

行政系科目も、基本的な中身は早い段階で押さえておくと良いでしょう。しかし、学者の名前など、細かい点まで覚えても、試験のときには忘れてしまう可能性もあります。

一通り勉強をした後に、「暗記」が必要となる内容については、年明け以降(大学生の方は大学の試験が終わる2月以降)に回す方が効果的です。

一通りの試験を併願する予定の方であれば、「法律系・経済系」を固めてから、「行政系」をしっかりと覚えていくのが基本的な学習の流れでしょう。

 

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《第一志望で必要な科目をチェックしよう》

大まかな目安は上記のようになりますが、第一志望の試験によって、重要科目は変わってきます。

例えば、国税専門官では会計学労働基準監督官では労働法が優先的に学習すべき科目になります。

東京都であれば、専門試験は記述式ですので、記述で使用する予定の3科目を早めに固めておくことが重要です(専門記述対策も、まずは択一試験用の勉強で知識を学ぶ形が一般的です)。

裁判所職員であれば、憲法・民法からはどうやっても逃げられません。また、早めに経済学で受験するか、刑法で受験するかを決め、これらの3科目が最優先になります。

国家一般職はどうでしょうか。専門試験は8科目の科目選択になります。当日、特定の科目の難易度が高いときに、他の科目に逃げられるように+αの予備があると理想です。

選択予定の科目を重点的に学習することがポイントです。

特別区も専門試験は選択制ですが、国家一般職とは異なり、科目選択ではなく、問題選択である点が重要です。ミクロ経済学が苦手な場合、国家一般職では「切る」ことになりますが、特別区であれば、5問中1問でも「拾える」ことがポイントです。

国家一般職の勉強とは異なり、苦手科目も含めても、薄く広く学習して、「拾える」問題を増やすことがポイントです。

主な県庁・政令市の試験では、法律系・経済系科目のウエイトが高いので、これらを重点的に学習することになるでしょう。

以上、多くの方が受験されるであろう試験について、触れてきました。

ここにさらに第二志望、第三志望あたりの併願も加えて、勉強の進め方のバランスを考えてみると良いでしょう。

例えば、特別区、裁判所、国家一般職、県庁を受験するとしましょう。県庁や裁判所あたりの特徴から、結果として、法律系・経済系の重要度が高くなります。

多くの試験を併願する場合、法律系・経済系の重要度が高くなりがちです。

よって、一般的なアドバイスとしては、「法律系・経済系」を優先的に勉強することになります。

このことを頭の隅に入れた上で、自分自身のプランニングを考えてみると良いのではないでしょうか。

《試験日程も考慮しよう》

来年も今年と同じような試験日程になった場合、5月の初〜中旬に東京都・特別区・裁判所の試験が実施され、6月の中〜下旬にかけて、国家専門職・国家一般職・県庁・政令市の試験が実施されます。

この2つの大きなまとまりの間に、1か月の時間があることにお気づきでしょうか。

例えば、国家一般職だけで使う科目、県庁だけで使う科目があるような場合には、この1か月間で仕上げていくこともできます。

もちろん、面接対策と並行しながらの勉強となりますが、東京都・特別区・裁判所までに一度仕上げた科目の勉強量は減りますので、時間のやりくりはできるでしょう。

この期間の時間の使い方も合わせて、全体のスケジュールを考えてみてください。

 

〈まとめ〉

・一般的には「法律系・経済系」→「行政系」の順で学習を進めましょう。

・第一志望で必要な科目などを確認して、学習の優先順位を確認しましょう。

・5月と6月の試験の間にある1か月間も考慮して、スケジュールを立てましょう。