
Q.独学で勉強をしていますが、周りの友人は予備校に通っており、話を聞いていると、自分よりも勉強が進んでいるように感じます。正直、焦りを感じていますが、何か良い解決法はあるでしょうか。
〈今回のテーマ〉
・独学で勉強をする際のペース配分はどうすればよいか?
・周りのことを果たして気にするべきか?
《予備校の講義スケジュールを参考にしてみましょう》
独学で勉強をしていると、自分の勉強が順調に進んでいるのか、そのあたりがわかりにくいと思います。大学受験と異なり、公務員試験は科目数が多いため、よりスケジュールの組み立てが難しいのでしょう。
以前のブログでも、紹介した通り、基本的には「理屈系」の科目を先に勉強して、「暗記系」は後に勉強ということになりますが、もっと細かくスケジュールを立てたいという方もいると思います。
【科目が多くて、どこから手をつければよいかわかりません】
「予備校に通っている友人の方が勉強が進んでいそうで焦る」ということですが、その友人がどんなペースで勉強を進めているのか、まずはその情報を得てみるとよいのではないでしょうか。
具体的には予備校の作成しているパンフレットを大学生協や書店などで手に入れてみましょう。パンフレットには講義スケジュールが同封されています。ちなみにTACでは、以下のような形でWEB上でも一部掲載されています。
https://www.tac-school.co.jp/kouza_komuin/komuin_schedule.html
細かなスケジュールよりも、法律であれば、憲法→民法→行政法がどのようなペースで実施されているか、いつ頃までにどの内容が終わればよいのか、ある程度はわかるようになると思います。
独学で勉強をしていると、「何となく不安」という感覚を抱きがちです(…独学でも、予備校に通っていても、大学の学内講座でも、実はみんなそれぞれ不安は抱えているのですが)。
自分の勉強スケジュールと、予備校の講義進度を比較してみると、ペース配分に対する悩みはだいぶ解消されると思います。

《周りよりも「得点」を気にするのが受験勉強です》
と、スケジュールの話をまずは書いてみましたが、「周りの状況」について、相談として多いのは、むしろ、漠然とした不安の話です。
独学で勉強をしていると、予備校に通っている人がどんな勉強をしているのか、気になるという話を聞きますが、予備校に通っている人は、予備校内での他の受講生の進捗状況が気になります。「自分はまだ授業の復習レベルなのに、他の人は過去問集をやっているのが見えて、焦ります。」という声をよく聞きます。
私の場合、大学が直接運営する講座も受け持っていますが、学生さんは「友達が自習室で毎日朝から晩まで勉強しているけど、自分はサークルなどもあって、まだそんなにできていない…」と、やはり、周りのことを気にしています。
特に勉強を始めるのが遅かった人、手をつけるのは早かったけれど、他の活動が忙しく、やっと本格的に勉強を始めた人などは、周りのことも気になってしまうのは仕方ないと思います。
ただ、間違えてはいけないのは、受験勉強は決して、特定の誰かと対戦するわけではありません。
半年後、テニスでA選手と対戦することが決まっているとしましょう。もちろん、自分の実力アップも大切ですが、A選手がどんな選手か分析をして、A選手の速いサーブに対応できるようにしようなど、相手に合わせた練習をすることになるでしょう。
それでは、半年後にフルマラソンの大会があり、そこで完走することを目標にしている場合はどうでしょう。周りの選手のことよりも、自分自身の課題を半年間でどう克服していくかに集中するのではないでしょうか。
受験勉強はフルマラソンをイメージして、周りではなく、自分自身と向き合うことが大切です。1人であってもしっかりと練習をすれば、フルマラソンが走れるのと同じように、公務員試験に合格することはできます。
独学であれ、予備校や大学講座の受験生であれ、周りに公務員試験を受験する人がいるのであれば、周りのみんながこのフルマラソンの大会に参加するイメージを持ってみてください。
友人が高校時代に陸上部で長距離の選手で、練習量も半端ではない。だとしても、自分の目標がフルマラソンの完走であれば、その人のことは特に気にならないはずです。
そもそもの話として、すべての物事には「コントロールできるものと、コントロールできないもの」があります。自分自身でコントロールできないものをあれこれ考えても、何も変わりません。
予備校などでは、自然とグループができていることがありますが、講師の目から見ていると、グループから良い影響を受けていると人と、悪い影響を受けている人がいるように感じます。
良い影響とは、単純に情報共有やモチベーションアップ、中には勉強を教え合っている場合などがあります。
悪い影響とは、進捗状況や模試の点数などで、無意識なのでしょうが、過度に精神的なプレッシャーを与え合っている場合などがあります。
フルマラソンで完走するのに必要なのは、結局のところ、最後は自分自身の走力です。同様に公務員試験で合格するために必要なのは、結局のところ、自分自身の「得点力」です。
周りが気になる気持ちはわかりますが、周りを気にしすぎて、自分自身を見失ってしまったら、プランニングを誤ります。フルマラソンの完走が目標なのに、周りを気にしてスピードアップの練習をするのは本末転倒です。
周りのことよりも、しっかりと自分自身の課題を見据えて、合格に必要な「得点力」を身につけていくことを意識しましょう。