「勉強」に飽きたら「勉強」を

Q. これまで勉強を続けてきて、少し勉強に疲れて(飽きて)きました。ただ、大切な時期に入っていることはわかっており、ペースダウンをする気にもなれません。何か良いアイディアはありますか。

まず、体調にだけは気をつけましょう(メンタルも含む)。本当に無理が来ているのであれば、休むことも大切です。

体調面で大きな問題は特にないということを前提でお話ししてみたいと思います。

基本的な勉強の流れは、独学の方であれば、参考書、テキストなどで内容を学び、問題集を解く。解けなければ、理解を確実なものにするために、参考書、テキストに戻り、再度に問題集で出来を確認をする。

予備校や学内講座などを利用している方であれば、参考書、テキストのところに、講義、レジュメなどが加わる形でしょう。

そして、このプロセスを繰り返すことで、習熟度を上げていくのが一般的流れだと思います。

この方法は学力を一定レベルまで上げるためには、非常に有効な方法だと思います。しかし、弱点もあります。

同じことの繰り返しですので、新鮮さが無く、どうしても飽きが来てしまう。飽きてしまうということは、自然と集中力が落ちる。集中力が落ちれば、効果も薄くなる。

飽きずに丁寧にやれると良いのでしょうが、それは決して簡単ではないでしょう。飽きずにできる人は、才能があるのだと思います。

メインの勉強は、先ほどのプロセスとして、やる気が出なくなったとき、どうも飽きてしまっていると感じたときの「勉強」について触れてみたいと思います。

もちろん、勉強以外でリフレッシュすることは大切です。でも、やるべき勉強がたくさんあるのなら、勉強から逃げずに、少しベクトルを変えた「勉強」も有効でしょう。

①テスト形式

いつも皆さん真剣に授業を受けてくれるのですが、どうしても、授業後半となると、段々と疲れが見えてきます。ところが、そこで小テストをやるとなると、再度、集中して取り組んでいます。

不思議なもので、「テスト」となると、結果を出したいという気持ちが出るのか、自然と集中して取り組むようになります。スポーツで、練習より試合の方が真剣になるのと同じでしょう。

何度か紹介していますが、日頃の勉強に「本試験の問題を通しで解く」という形式の勉強を取り入れてみたり、また、使う問題集は同じでも、No.4,16,39,51,68,…をピックアップして解くというような「小テスト」をするだけでも気分は変わります。

②参考書以外の教材

自分自身、元受験生として、「どうもしっくり来ないな…」というところに関しては、参考書以外で確認をするようにしていました。

例えば、法律であれば、今ひとつ腑に落ちない判例は、『ジュリスト 判例百選』をチェックしてみたり、図書館の経済学のコーナーで色々な本をつまみ読みしたりして対応しました。

また、それまで触れたことがなく、興味を持った社会学については、『社会学のあゆみ』(有斐閣新書)という本を加えて読むことで理解を深めたりしました。

文芸の分野であれば、気分転換も兼ねて、絵画史の本を読むことで、試験勉強をしていました。

受験参考書を読んだり、予備校で授業を受けるというのは、たしかに効率の良い勉強です。しかし、受け身になりがちであるというデメリットもあります。

そこに少しだけスパイスとして、自分から積極的に関わる勉強を加えると、理解の手助けや記憶の定着に繋がりやすくなると思います。

(ただし、メインは通常の受験勉強、スパイスとして上のような勉強を守りましょう。楽しくなって、受験勉強が疎かになっては本末転倒…。気になったことは、合格してから勉強しましょう。)

大切な直前期、違った方向からの「勉強」を加えることで、新鮮な気持ちを持って、勉強に取り組んでくれたらと思います。