理解度チェック法

以前、年末までにやっておくべき勉強として、「本試験の問題を通しで解く」という方法を紹介しました。

年内にやっておいた方が良い勉強はありますか。

現時点でどの程度、理解が進んでいるのかをチェックするために有効な方法です。

ただし、1点、気をつけてほしいポイントがあります。

制限時間にはこだわらず、しっかりと時間をかけて全問解いてみることです。

実際の本試験では制限時間があり、特に教養試験(基礎能力試験)の場合は、時間設定が厳しいです。そうすると、点数を取るためには、問題の取捨選択が重要になります。

将来的には与えられた時間の中で、うまく時間をやりくりして、解くべき問題と切るべき問題を見極めることも重要でしょう。

しかし、今、時間のことを気にしすぎるのは得策とは言えません。制限時間を設けて解いてしまうと、そもそも知識や解法が定着していないから解けないのか、それとも、時間が足りずに解けないのか、その見極めが難しくなります。

また、実際の試験では、2択で迷ったら「えいっ!」と見切りをつけて選択をする必要も出てきますが、日頃の勉強でそれをやり過ぎると、理解度が上がりません。

できる限りじっくりと悩むことで、仮に誤りだったとしても、間違いだった理由が印象に残り、復習の際の理解の手助けにもなります。

特に数的処理は、ジタバタしながら考える時間が血肉となるので、あまり早い段階から本試験に合わせた時間設定で解くことはおすすめしません(日頃の勉強でも今の時期であれば、数的処理は少し長めの1問10分を目安にすることを推奨しています)。

余談になりますが、先日、将棋の藤井聡太七段が、勝てば初のタイトル戦に出場という大舞台で、最後の最後で読みを誤り負けました。

彼の本来の実力からすれば、決して難しい局面ではなかったはずなのですが(素人の自分には読めるような局面ではないです…)、持ち時間が無くなり1分で考えること、長時間に及ぶ対局の疲労、大舞台、様々な要因が重なったのが理由でしょう。将棋に対する理解の深さと、勝負での強さはイコールではありません。

最終的には時間を含めての実力かもしれません。ただし、今までの勉強の理解度をチェックするのであれば、時間の制約が無く、過度な緊張感を感じない自然な環境で、自分のベストを尽くしてどれくらい取れるのかを試してみましょう。

それで解けているのであれば、理解は出来ている、次のステップに時間のやりくりを考えれば良いでしょう。解けていないのであれば、再度、丁寧に復習をして、理解度の向上に努めることが大切です。

今後の勉強方針を決める役に立てばと思います。